原題 "The Visiter"(2008)
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仕事に意義を感じれず、妻を亡くし、心を閉ざして生活をしている初老の大学教授の話です。
仕事でニューヨークへ行くことになり、しばらく使っていなかったアパートへ帰ってみると、騙されて教授のアパートを借りていた不法滞在のカップルが住んでいて、そのまま同居してしまいます。
シリア系のジャンベ奏者タレクと、音楽で交流していくうちに教授も打ち解け、孤独な生活から抜け出し充実感を味わいます。数日間だけ・・・。
教授役のリチャード・ジェンキンス。
前半の冷酷でどこか寂しげな初老の大学教授から、後半の充実した社交的な人に徐々に変わってくる過程を見事に演じてました。
後半では、前半よりも若返って見えるくらいに、感情が豊かになっていきます。
教授がタレクをはじめ、周囲の人たちと交流が持てるようになり、変化する過程はとても観ていて引き込まれ、こちらも豊かな気持ちになった気がしました。
アメリカでの移民や不法滞在者の問題を取り上げた作品なのでしょうが、単純にヒューマンドラマとしても面白いです。
9.11後の不法滞在者に対するアメリカ人の冷淡さも、よく伝わってきます。
不法滞在には変わりないのでしょうけど。
ジャケットの雰囲気からも分かるかも知れませんが、ラストは寂しい感じで終わります。
それ故に、より印象深い映画になっていると思います。
静かに話が進行する映画です。派手さは一切ありません。
ジワリと感動できる話で、誰にでもお勧めできる映画です。
是非、教授の心境の変化、タレクとの友情に注目して観て頂きたい作品です。
扉をたたく人:The Visitor 日本版予告篇
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